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TOMIYUKI KANEKO
金子富之
ネンチンタンゴラ(ねんちんたんごら)
2003 岩絵具、墨、モデリングペースト
180×403㎝
チベットはユーラシア大陸に広がる世界最大級の高原地帯です。中国側では雪域高原と呼ばれ高度は3500〜5500mでありネンチンタンゴラとはここに位置する地名です。高山病の頭痛と吐き気で足元もおぼつかない状態の中私が見た光景は、熱を感じさせない光線、雪を握っても濡れない手、全てを吸収し砂塵に変えてしまうかの様な広大な大地が横たわっていました。闇を分解する様な無数の光の針が降り注ぎ、冷たい光と風で大地の体内に死して取り込まれた生命達が陽炎の中で揺れ様子を伺っています。
頭痛と酸欠で気力を削られ、苦しみの大地に向かうには若さと精神力が必要です。この地を訪れる画家が多く居ます。この苦しみを超える何かが見えるのだと思います。
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