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TOMIYUKI KANEKO
金子富之
インドの寺院の伽藍内部です。ピラミッドのように重力拡散の三角形の造りが見られます。東洋の秘儀の探究に約20年を費やした神秘学の巨人グルジェフによると芸術は客観芸術と主観芸術の二種類に分かれると言います。主観芸術は個人的な心情、(我)エゴを現わしたもので、一方ピラミッドやアンコールワットの寺院などは客観芸術に属し、その造形性は(我)エゴからのものではないとされ神々との交信に使われたと伝わっています。客観的造形は、同一の鑑賞能力を持つ者ならば全てに同じ印象を与えるものであるとされます。この名もわからないインドの寺院も私たち人間でさえも、恐らく宇宙や神の形を写し真似た小さな影なのです。
インドでは総人口の8割がヒンドゥー教であり、眠れる預言者と呼ばれたエドガーケーシーが睡眠状態中、世界で最も真理を言い当てている書物は何かと言う質問に対し、ヒンドゥーのバガヴァットギーターだと述べたと言われます。
寺院(じいいん)
2000 岩絵具、雲肌麻紙
116.7×90.9㎝
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