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TOMIYUKI KANEKO
金子富之
白面金毛九尾(はくめんきんもうきゅうび)
2005 岩絵具、透明水彩、アクリル、ペン、箔、洋紙、古書
190×450㎝
白い顔に金の体毛、そして九尾。この尾に「黒い太陽」を描く衝動がありました。それは心理分析では最も初歩的な無意識であるらしく、錬金術においては光と復活の母胎、または土星の象徴で破壊面を意味すると言います。たとえ日食であろうとも太陽光の余波はあります。Black Sunの黒い部分は月であり、宗教的、心理学的に強い意味合いがあり日光を放ちエネルギーを秘めながら実体が光を失っている太陽の幽霊であるかのようです。
白面の者は伝説によると古代中国では妲己、天竺では華陽夫人、周の幽王の前では褒姒に化け国王を洗脳し国を滅ぼし、日本に渡り玉藻前として帝に接近しました。しかし陰陽師・安倍泰親に見抜かれ那須へと逃げ退治され殺生石と化しました。その後、毒気を吐き禍を成していましたが、会津示現寺の玄翁和尚に供養されました。
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