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TOMIYUKI KANEKO
金子富之
清姫(きよひめ)
2005 岩絵具、透明水彩、墨、ペン、古書、洋紙
190×450㎝
人間の心の中にある鬼の性(さが)を表現しました。怨念、嫉妬、憎悪などの心毒が凝り固まった時、人は鬼になると言います。清姫に追われた僧、安珍(あんちん)は鐘の中に隠れるが、その蛇体に巻き付かれ毒気で鐘ごと焼き尽くされてしまいます。しかし法華経の功徳により二人とも天界に生まれ変わるという伝説です。心毒は我(エゴ)の働きから来て怒りに燃えている様な精神状態はコントロールするのが難しく、それが真紅の炎ならば肉体と精神を心地良く疲労させるスポーツの様ですが、その真紅に黒が入った怒りの炎ならば毒炎となり自らも焼く高熱になります。釣鐘ごと安珍を焼き尽くすその威力は凄まじいですが、自己も他者も同時に滅ぼす「人呪わば穴二つ」のようです。
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