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TOMIYUKI KANEKO
金子富之
現代持哀(げんだいじすい)
2014 岩絵具、墨、アクリル、布、箔、あかし紙、薄美濃紙
200×300㎝
魏志倭人伝に持衰(じさい)と言う職種の表記があります。倭国が魏に船出する時、人身御供の役を担います。喪人様にして身なり衛生状態は悪く、肉食と異性への接触を禁じられています。これは当時、神の怒りを買わない状態とされます。一種の穢れのない生まれたままの姿と言うべきでしょうか。航海を無事終えられた時は最大級の恩賞を受けられるが、危険な状態に見舞われた場合は命を絶たれます。命と神に通じるその特性を使い航海の危険を回避するのです。後の世の葬儀に参列する泣き女や泣き婆の元型とも思われます。負の要素、それは裏返れば聖にも転じます。共同体の不安、悲しみを一身に引き受け表現する事により、代弁者となりカタルシスを促し共同体の精神を平安に導くのです。
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