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TOMIYUKI KANEKO
金子富之
摩醯首羅王(まけいしゅらおう)
2017 岩絵具、透明水彩、アクリル、墨、ペン、箔、あかし紙、吉祥麻紙
230×640㎝
摩醯首羅王はシヴァ神であり、シヴァ神の変身が大黒天です。大黒天=マハーカーラ(大いなる暗黒)。ヒンドゥーや密教のタントリズムの匂いが付き纏います。大黒天はカン二バルの性質を伴い、カン二バルとは食人であり食べられる個の解体です。カーストを超えた性交、穢れへの接触、そして食人、タントリズムの特性は禁忌にも過度に接近します。この禁忌に接する時、心の動き、反応は善悪を超え強い行動を起こすエネルギーを生み出します。自由でそして悍ましく劇的に生まれ変わる様な新しい生命を吹き込むのです。性質が異なるものが融合する事により生まれる推進力があるのだと思います。
神々の人間を分解する行為を自然界に置き換えてみます。地球というガイア、大地母神は胎内に死者を吸収し新しい生命に変化させます。死者は大地に食べられることで生前の複雑に絡まった因果の毒を消化され転生への切符を手に入れます。そして生前に行った因果関係が新しい生命にまた試練を与えるのです。
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